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専門医に聞く、新規2型糖尿病治療薬の使い方(下)(医療介護CBニュース)

清野裕さん(糖尿病専門医、関西電力病院長)

■SU薬の大量投与が併用時の重症低血糖の原因に

―新規薬の投与に当たって注意しなければいけない点はありますか。
 
 これまでSU薬の効果があまりなかった人に対して、新しい経口薬とSU薬を併用した場合、特に高齢者で、重症の低血糖を起こしているという報告を十数例聞いています。よく解析してみると、SU薬が効かないので大量に飲ませていたケースが多い。つまり、もともとの薬の使い方が非常に不適切であることが分かりました。その状態でぽんと新規薬を併用すると、わずか2、3日で血糖値200-300の人が40以下の重症低血糖を起こしているのです。
 メカニズムはまだはっきり分かっていませんが、新しい薬が活性化するインクレチンは、インスリン分泌につながるブドウ糖経路をよくするといわれていました。SU薬はブドウ糖経路を刺激しますね。これまでは効かないから大量に処方してもよかったわけですが、新しい薬を併用することによって、ブドウ糖経路が改善され、大量に処方したSU薬が効き、インスリンが大量に出て血糖が下がる。
 よくSU薬が効かないことについて「膵β細胞の疲弊」と言う人はいますが、わたしは、何らかの原因でSU薬が効かない状態になっているだけで、「疲弊はない」と言っていました。もし「疲弊」していたのであれば、インクレチン関連薬を使っても、インスリンを出すそもそもの部分が駄目になっているのだから、このようなことは起こらないはずですよね。

 専門医から見ると、このようなことが起こるとは想定外でした。SU薬をA薬、B薬としましょう。高齢者にはA薬は使うのをやめましょうとか、もう70歳以上ならB薬にしなさいとか、A薬ならその半分ぐらいまでですよとか、そういった教育をしてきたけれど、依然日常の診療では違うことになっている。ですから、慌ててこういう使い方をしてくださいという方針を、ある研究会として示しました。適正に使ってほしいということは切実に思います。

―医師によって薬が適切に使用されていない現状がある。新しい薬の登場で、糖尿病治療の問題点が改めて浮かび上がったということでしょうか。

 そうですね。単剤なら、開業医の人も安心して非常に早期からどんどん使えます。ところが併用の場合は予期できないようなことが起きている。臨床試験の時は組み合わせの薬もきっちり、適量を守って使っているわけですが、従来の薬が適切に使われていない場合に、予期せざることが起こる。従来の薬を適切に使わない人がたくさんいるということですよね。
 しかし、専門医が全国のかかりつけ医全員を啓発するというのは至難の技です。だからわたしたちも地域連携パスを用いて、かかりつけ医との間で患者さんをぐるぐる回しています。わたしの病院では、大阪でおそらく一番多くの教育入院に取り組んでいると思います。枚方から西宮の方まで広域をカバーして、大体パスの更新率も7-8割ぐらいです。病院に来た時のHbA1c値が9%ぐらいの患者さんも、1年後に見たら6.3%ぐらいになっている例もあります。重要なのは、医師が頭を切り替えて、自分のところで患者を抱え込もうとするのはやめるということです。
 
 また、糖尿病は患者さんへの教育が大事です。わたしが若い先生に口を酸っぱくして言っているのは、とにかく患者さんと話すということ。わたしたちのところでは、週3日、医師や栄養士などが集まって患者さんから質問を受ける「Q&Aコーナー」など、ありとあらゆる手段で教育して、患者さんをお帰ししています。また最近では、最初の教育の重要性についてかかりつけ医の先生の理解も深まり、数年前まではむくんだり、目の具合が悪くなったりして初めて紹介してこられたのが、今ではもう初診なら少々軽くてもすぐに紹介してくださいます。
 ただ、講演会を開いても、モチベーションの高い医師しか集まらないのが現状です。わたしたちは地域の勉強会もやっていますから、より多くの方に積極的に加わっていただきたいと思います。

―このほか、新規薬を投与する中で気付いたことを教えてください。

 古いA薬との併用で血糖値が急激に下がることが分かったことは、逆に言えば素晴らしいことで、新しい薬は元の効かなかった薬を効かせてくれる補助的な薬剤だということになりますし、本来ならA薬はその3分の1か4分の1でよかったはず、ということも分かってきます。
 また、わたしの病院では、これまで注射剤のインスリンを打っていた人が、新しい経口薬と古いA 薬の組み合わせに切り替えたという例もかなりあります。1日3、4回注射しなければいけなかった人にとって、これは便利ですよね。高齢者や施設にいる人など、自分では打つことが困難な人にとっても、使いやすくなると思います。
それから、老人の1人暮らしが非常に増えていますが、そういう方が自宅で低血糖になっていたら大変です。単剤で使えば低血糖がないので、勧められますね。
 ただし、薬剤の切り替えに関して、そこはさじ加減で、医師なら誰でもできるということではないと思います。血液中のホルモン分泌の回復具合や切り替える用量、タイミングなど、現時点では専門医でないと行ってはいけないと思います。


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by 4yxf7uatfy | 2010-04-30 21:34